御社向けに協働ロボットのパレタイジングソリューションをカスタマイズするには？

協働ロボットによるパレタイジングソリューションは、中小企業はもちろん、大企業においても従来の産業用ロボットや人手作業を置き換えるケースが増えています。しかし、そこで新たな課題が生まれます―協働ロボットは標準化されたパレタイジングソリューションだけでなく、異なる生産状況に応じた特定のニーズにも柔軟にカスタマイズできるのか、という点です。

実際に導入する際には、さまざまな要素を評価・検討する必要があります:

例えば、作業スペースの広さはどれくらいか？生産ラインはいくつあるのか？

協働ロボットパレタイザーを設置する施設内の物理的スペースを計測しましょう。協働ロボットのリーチや動作範囲に加え、コンベアや製品仮置き場といった周辺設備の設置にも十分なスペースが必要です。協働ロボットのベース設置面積、高さ、必要なクリアランスが利用可能な床面積に収まりつつ、すべてのパレットや製品にアクセスできる動作範囲を確保することが重要です。

限られた床面積しかない小規模施設では、単一の協働ロボットを導入するか、パレタイジング作業を2台の小型ユニットに分割して配置することで、スペースの有効活用とボトルネックの回避を図る必要があります。一方、大規模工場では、各生産ラインに専用のパレタイジングワークステーションを設け、施設全体で並列的に作業を進める柔軟性があります。

施設の規模にかかわらず、協働ロボットのベース、全可動範囲、必要な安全柵や補助機器を設置するための十分なスペースが確保されていることを確認しましょう。事前のスペース評価を行うことで、既存の作業フローやレイアウトを妨げることなく、協働ロボットパレタイザーをシームレスに導入できます。

DOBOTのパレタイジングソリューションは、リフティングコラム型ワークステーションで2,100mm、コラム型ワークステーションで1,740mmに対応し、超コンパクト設計により、狭い作業場や限られた生産ラインなど、さまざまな環境に柔軟に対応できます。

パレタイジングロボットが必要な積載重量に対応できるかどうかを評価しましょう。

パレタイジング対象となる製品のサイズ、重量、その他の特性を把握しましょう。これにより、協働ロボットシステムの可搬重量、グリッパー設計、その他の技術要件が決まります。製品の寸法・重量・表面の質感・壊れやすさなどの要素によって、安全かつ効率的に扱うためのエンドエフェクタ（ハンド先端ツール）や制御パラメータが左右されます。

理想的には、協働ロボットがリーチ端で重い荷物を振り回すような使い方は避けるべきです。これは、転倒や損傷のリスクを生じさせる可能性があるためです。また、多くの協働ロボットでは、重心が低くなるにつれて許容可搬重量が減少します。これは、ツールフランジら離れた位置に物体を動かす際に必要なトルクが増加するためです。イメージしやすくするために、2kgの円筒を体の近くで持つ場合と、腕を伸ばして持つ場合の違いを想像してみてください。

製品を確実にグリップ

製品を確実かつ安全に取り扱える、最適なグリッパーや真空エンドエフェクタを選びましょう。これはアプリケーションに正確に適合させる必要がある重要な要素です。製品の形状、重量、表面の質感、壊れやすさといった要因によって、最適なエンドエフェクタ技術が決まります。たとえば、多数の箱をパレタイジングする場合は二重真空カップが最適ですし、ボトルや缶を扱う場合は大型グリッパーが作業効率を向上させます。

どのようなパッケージスタイルが必要ですか？

使用するパレットの種類（木製・樹脂製・その他）を考慮し、協働ロボットのエンドエフェクタとの適合性を確認しましょう。グリッパー／真空エンドエフェクタは、対象のパレット形状を損傷なく確実に「持ち上げ・搬送・積み重ね」できる必要があります。パレットの重量、表面摩擦、構造強度といった要素が、最適なエンドエフェクタ選定に影響します。

たとえば、壊れやすい製品や傷つきやすい製品など、追加の保護が必要な商品をパレタイジングする場合があります。その際は、荷重を緩衝するためにパレット用の仕切り板やスリップシートが必要になることがあります。協働ロボットトのグリッパーとプログラムは、こうした特殊なパレット仕様を安全かつ効率的に扱えるよう最適化する必要があります。

DOBOTはラベルの向きを揃えるためにパレタイジングソリューションをカスタマイズ

スループット目標を明確に

想定されるパレタイジング量やサイクルタイム要件を評価しましょう。これにより、生産性ニーズを満たすために必要な速度や可搬重量の観点から、最適な協働ロボットモデルの選定が可能になります。生産ラインの速度、日次／週次の処理目標、シフトスケジュールなどの要素が、必要なパレタイジング速度と協働ロボットシステムの処理能力を決定します。

DOBOTの事例によると、ある大手冷凍食品・即席食品メーカーは、生産量を2倍にする必要がありました。高速動作が可能なDOBOT CR20協働ロボットにデュアルサクション仕様をカスタマイズして搭載したことで、従来は1分間に5箱だった積み上げ数が、現在では1分間に10箱へと増加しました。

パレタイジングパターンを柔軟に調整

協働ロボットパレタイザーは、単純な積み上げから複雑な組み合わせ配置まで、さまざまなパレタイジングパターンに対応するようプログラムできます。通常のパレット積載パターンやサイズを分析することで、パレットの有効活用と安定性を最適化できる、十分なプログラム柔軟性を持つ適切な協働ロボットを選定できます。

これらの要素を慎重に評価し、協働ロボットのインテグレーターと連携することで、御社固有のビジネス要件に完全に適合したパレタイジングソリューションをカスタマイズできます。この柔軟なアプローチにより、協働ロボット自動化から最大限の生産性・効率性・投資回収効果を得ることが可能になります。